专利摘要:
本発明は、高い溶融安定度を示す、以下の成分A)、B)およびC)を含有する組成物に関する:A)芳香族ポリカーボネート、B)ポリアルキレンテレフタレート、およびC)ポリアルキレンテレフタレートと、オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物からなるコンセントレート。また、本発明は、ポリアルキレンテレフタレートとリン含有添加剤のコンセントレートを使用して、耐衝撃性改良ポリアルキレンテレフタレート/ポリカーボネートを調製する方法に関する。
公开号:JP2011516641A
申请号:JP2011502254
申请日:2009-03-19
公开日:2011-05-26
发明作者:シュテファン・コンラート;ディーター・ヴィットマン;ピエール・ムリニエ;ラルフ・フーフェン
申请人:バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフトBayer MaterialScience AG;
IPC主号:C08J3-22
专利说明:

[0001] 本発明は、高い溶融安定度を示す、ポリアルキレンテレフタレートとリン含有添加剤とのコンセントレートを含有する組成物に関する。また、ポリアルキレンテレフタレートとリン含有添加剤のコンセントレートを使用して、耐衝撃性改良ポリアルキレンテレフタレート/ポリカーボネート組成物を調製するための方法にも関する。]
背景技術

[0002] リン酸エステルを使用してポリアルキレンテレフタレートを安定化させることは既知である。該リン酸エステルは、エステル交換反応または重縮合で使用する触媒と反応できるが、それでもなおポリアルキレンテレフタレート中に存在してしまうので、ポリカーボネート/ポリエステルのエステル交換反応に影響を及ぼすパラメーターを低減させてしまう。明確な反応機構は解明されていないが、リン酸エステルを用いる安定化の効果が種々の文献、例えば「非ポリオレフィンポリマーの安定化におけるリンの役割」アストン・ヘンリーC、エンロウウイリアム;ネレンティム著(GEスペシャルティー・ケミカルズ社、モーガンタウン、WV、米国)技術会議年鑑、プラスチック技術協会(2000年)、第58回(第3巻)、第2818頁〜第2825頁、「縮合ポリマーにおける交換反応の抑制」ジェームスN.R、マハジャン.S.S、シバラン.S著(国際化学研究所、ポリマー化学分野、プネ、インド)、ファキロフ、ストイコ著「縮合ポリマーにおける交換反応」(1999年)第219頁〜第265頁、出版社:ウィリー-VCH出版社、ワインハイム、ドイツなどに記載されている。]
[0003] 米国特許第4066617号明細書は、オキセタン基を有するリン酸エステルを含有するポリアルキレンテレフタレートを開示する。国際特許出願公開第2004/007607号明細書はオキセタン基を有するリン酸エステルを含有するポリマーを開示する。ポリエステルを調製するための助剤としてカルボキシアルキルホスホン酸を使用することが、例えば、米国特許第5744572号明細書に開示されている。]
[0004] 米国特許出願公開第2002/0137823号明細書は、改良した加水分解安定度を示す、ポリエステル及びリン酸エステルを含有する組成物を開示する。]
[0005] ポリカーボネート/ポリエステル組成物を安定させるために、低濃度のリン酸水溶液が使用されている(例えば、米国特許6635698号明細書の実施例7〜10を参照)。]
[0006] 欧州特許出願公開第0294862号明細書は、リン含有安定剤と単体硫黄の混合物を使用して、ポリカーボネート/ポリエステル組成物を安定化させることを開示する。欧州特許出願公開第0683200号明細書は、リン含有酸とリン含有酸のエステルを用いて、ポリカーボネートを有効に安定化させることを開示する。]
[0007] 先行技術において、安定剤は1重量%〜2重量%までの濃度で使用され、該安定剤はいずれの場合も混合物に直接添加される。]
[0008] 米国特許第4066617号明細書
国際特許出願公開第2004/007607号明細書
米国特許第5744572号明細書
米国特許出願公開第2002/0137823号明細書
米国特許6635698号明細書
欧州特許出願公開第0294862号明細書
欧州特許出願公開第0683200号明細書]
先行技術

[0009] 「非ポリオレフィンポリマーの安定化におけるリンの役割」アストン・ヘンリーC、エンロウウイリアム;ネレンティム著(GEスペシャルティー・ケミカルズ社、モーガンタウン、WV、米国)技術会議年鑑、プラスチック技術協会(2000年)、第58回(第3巻)、第2818頁〜第2825頁
「縮合ポリマーにおける交換反応の抑制」ジェームスN.R、マハジャン.S.S、シバラン.S著(国際化学研究所、ポリマー化学分野、プネ、インド)
ファキロフ、ストイコ著「縮合ポリマーにおける交換反応」(1999年)第219頁〜第265頁、出版社:ウィリー-VCH出版社、ワインハイム、ドイツ]
発明が解決しようとする課題

[0010] 本発明の目的は、ポリカーボネート/ポリエステル組成物の溶融安定度を改良することである。]
課題を解決するための手段

[0011] 驚くべきことに、本発明による該目的は、以下のA)〜C)を含有する組成物によって達成されることが見出されている:
A)芳香族ポリカーボネート、
B)ポリアルキレンテレフタレート、および
C)ポリアルキレンテレフタレートと、オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物からなるコンセントレート。]
[0012] 好ましくは、本発明による組成物は以下の成分A)〜C)と任意成分D)およびE)を含有する:
A)芳香族ポリカーボネート、成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、29.8重量部〜82.8重量部、好ましくは39.5重量部〜89.5重量部、特に好ましくは44.3重量部〜74.3重量部、
B)ポリアルキレンテレフタレート、成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、15重量部〜70重量部、好ましくは20重量部〜60重量部、特に好ましくは25〜55重量部、
C)以下のC.1)およびC.2)からなるコンセントレート:成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、0.2重量部〜5重量部、好ましくは0.5重量部〜3重量部、特に好ましくは0.7重量部〜2重量部、
C.1)ポリアルキレンテレフタレートまたは少なくとも2種類のポリアルキレンテレフタレートの混合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、98重量%〜70重量%、好ましくは93重量%〜80重量%、
C.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、2重量%〜30重量%、好ましくは7重量%〜20重量%、
D)ゴム変性グラフトポリマー、成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、0重量部〜40重量部、好ましくは5重量部〜30重量部、特に好ましくは8重量部〜18重量部、および
E)添加剤、成分A+B+Cの重量部合計(100重量部)に基づいて、0重量部〜20重量部、好ましくは1重量部〜15重量部、
ただし、本明細書中の重量部は、組成物中の成分A+B+Cの重量部合計が100となるように調整される。]
[0013] また、本発明は、改良した溶融安定度を有するポリカーボネート/ポリアルキレンテレフタレート組成物の調製方法を提供し、該方法は、以下の工程(i)および工程(ii)を有することを特徴とする:
(i)第1工程コンセントレートC)の調製
(i-1)以下の成分C.1)およびC.2)を、既知の方法、好ましくは内部ニーダー、押出機および二軸スクリューなどの装置を用いて、好ましくは180℃〜320℃、特に好ましくは200℃〜270℃の温度で混合し(この工程段階は「溶融配合」とも称される)、
C.1)好ましくは180℃〜300℃、特に好ましくは200℃〜270℃の融点を示すポリアルキレンテレフタレート(好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、特に好ましくはポリブチレンテレフタレート):C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、98重量%〜70重量%、好ましくは93重量%〜80重量%、および
C.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択され、固体状若しくは液体状で使用される少なくとも1種の化合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、2重量%〜30重量%、好ましくは7重量%〜20重量%、
(i-2)次いで、得られた混合物を溶融押出し、得られる混合物を好ましくは-20℃〜100℃、特に好ましくは10℃〜40℃の温度まで冷却して、固体状の混合物(以下「コンセントレートC」と称する)を得る、次いで、
(ii)以下の(ii-1)〜(ii-3)を含む第2工程
(ii-1)以下の成分A)〜C)と任意成分D)およびE)を含有する群から選択される構成成分を既知の方法で混合し:
A)芳香族ポリカーボネート:成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、29.8重量部〜82.8重量部、好ましくは39.5重量部〜89.5重量部、特に好ましくは44.3重量部〜74.3重量部、
B)ポリアルキレンテレフタレート:成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、15重量部〜70重量部、好ましくは20重量部〜60重量部、特に好ましくは25〜55重量部、
C)工程(i)において調製したコンセントレートC):成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、0.2重量部〜5重量部、好ましくは0.5重量部〜3重量部、特に好ましくは0.7重量部〜2重量部、
D)ゴム変性グラフトポリマー、成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、0重量部〜40重量部、好ましくは5重量部〜30重量部、特に好ましくは8重量部〜18重量部、および
E)添加剤、成分A+B+Cの重量部合計(100重量部)に基づいて、0重量部〜50重量部、好ましくは0.5重量部〜25重量部、
(ii-2)常套の装置、例えば内部ニーダー、押出機および二軸スクリューなどを使用して、200℃〜320℃、好ましくは240℃〜300℃の温度で溶融配合し、次いで
(ii-3)溶融押出をおこなう
ただし、本明細書中の重量部は、組成物中の成分A+B+Cの重量部合計が100となるように調整される。]
[0014] 更に、本発明は、以下のC.1)およびC.2)からなるコンセントレートC)を提供する:
C.1)ポリアルキレンテレフタレートまたは少なくとも2種類のポリアルキレンテレフタレートの混合物、好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、特に好ましくはポリブチレンテレフタレート:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、98重量%〜70重量%、好ましくは93重量%〜80重量%、および
C.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、2重量%〜30重量%、好ましくは7重量%〜20重量。]
[0015] 更に、本発明は、芳香族ポリカーボネートと、ポリアルキレンテレフタレートと、所望によりゴム変性グラフトポリマーと、所望による添加剤とを含有する組成物の溶融安定度を向上させるために、コンセントレートC)を使用することを提供する。]
[0016] 成分A
本発明によると、本発明による組成物は、成分A)としてポリカーボネートまたはポリカーボネート混合物を含有する。]
[0017] 好ましいポリカーボネートは、下記一般式(I)で表されるビスフェノールに由来するホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートである。]
[0018] (式中、Zは、1または複数の芳香族基を含有し、6個〜30個の炭素原子を有する二価の有機基を示す)。]
[0019] 好ましいビスフェノールは、以下の式(Ia)で表される。]
[0020] 式中、
Aは単結合を示し、C1-C5-アルキレン、C2-C5-アルキリデン、C5-C6-シクロアルキリデン、-O-、-SO-、-CO-、-S-、-SO2-、C6-C12-アリーレン(これらは、所望によりヘテロ原子を含有する更なる芳香族環と縮合させてもよい)、
あるいは以下の式(II)若しくは(III)で表される基を示す;]
[0021] ]
[0022] ]
[0023] 式中、
Bは、いずれの場合もC1-C12-アルキル(好ましくはメチル)、ハロゲン原子(好ましくは塩素原子および/または臭素原子)を示し、
xは、いずれの場合も相互に独立して0、1または2を示し、
pは、1または0を示し、および
R1およびR2は、各X1に対して独立して選択され、相互に独立してハロゲンまたはC1−C6-アルキル、好ましくはハロゲン、メチル若しくはエチルから選択され、
X1は炭素原子を示し、
mは、4〜7の整数、好ましくは4または5を示す(但し、とりわけ少なくとも1つの原子上においては、X1、R1およびR2は同時にアルキルを示す)。]
[0024] 一般式(I)で表されるビスフェノールの例は、以下の群に属するビスフェノールである:ジヒドロキシジフェニル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−シクロアルカン、インダンビスフェノール、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)-スルホン、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルホキシドおよびα,α’−ビス−(ヒドロキシフェニル)−ジイソプロピルベンゼン。]
[0025] 例えば、上記ビスフェノールの芳香環上をアルキル化若しくはハロゲン化することにより得ることができる上記ビスフェノールの誘導体も、一般式(I)で表されるビスフェノールの例である。]
[0026] 一般式(I)で表されるビスフェノールの例は、特に以下の化合物である:ヒドロキノン、レソルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビス−(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−p/m−ジイソプロピルベンゼン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニル−エタン、1,1−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシ−フェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(すなわち、ビスフェノールA)、2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,4−ビス−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン(すなわち、ビスフェノールM)、α,α’−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼンおよびインダンビスフェノール。]
[0027] 特に好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールAに基づくホモポリカーボネート、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンに基づくホモポリカーボネート、および2種類のモノマー、即ち、ビスフェノールAと1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンに基づくコポリカーボネートである。]
[0028] 一般式(I)で表される上記ビスフェノールは、例えば対応するフェノールとケトンから、既知の方法によって調製できる。]
[0029] 上述のビスフェノールおよび該ビスフェノールの調製方法は、例えば以下の文献に記載されている:モノグラフH.シュネル著、「ポリカーボネートの化学と物理」ポリマーレビュー、第9巻、第77頁〜第98頁、インターサイエンス・パブリシャーズ、ニューヨーク,ロンドン,シドニー,1964年;米国特許第3028635号明細書、同3062781号明細書、同2999835号明細書、同3148172号明細書、同2991273号明細書、同3271367号明細書、同4982014号明細書、同2999846号明細書、独国特許出願公開第1570703号明細書、同2063050号明細書、同2036052明細書、同2211956号明細書、同3832396号明細書および仏国特許出願公開第1561518号明細書および特開昭61−62039号公報、特開昭61−62040号公報および特開昭61−105550号公報。]
[0030] 1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびその製造法は、例えば、米国特許第4982014号明細書に記載されている。]
[0031] インダンビスフェノールおよびその調製法は、例えば、米国特許第3288864号明細書、特開昭60-035150号公報および米国特許第4334106号明細書に記載されている。インダンビスフェノールは、例えば、有機溶媒中にフリーデルクラフツ触媒を存在させて、イソプロペニルフェノール若しくはその誘導体またはイソプロペニルフェノールの二量体若しくはその誘導体から調製できる。]
[0032] ポリカーボネートは、既知の方法によって製造できる。ポリカーボネートの適当な調製方法は、例えば界面法によってビスフェノールとホスゲンから調製する方法、または均一相法によってビスフェノールとホスゲンから調製する方法(いわゆるピリジン法)、または溶融エステル交換法によってビスフェノールと炭酸エステルから調製する方法である。これらの調製方法は、例えば、シュネル著、「ポリカーボネートの化学と物理」ポリマーレビュー、第9巻、第31頁〜第76頁、インターサイエンス・パブリシャーズ、ニューヨーク,ロンドン,シドニー,1964年に記載されている。
上記調製方法は、更に以下の文献に記載されている:D.フライタック、U.グリゴ、P.R.ミューラー、H.ノウバートン著「ポリカーボネート」高分子化学・工学百科事典、第11巻、第2版、1988年、第648頁〜第718頁、およびU.グリゴ著、K.キルハーおよびP.R.ミューラー著「ポリカーボネート」、ベッカー、ブラウン著ブラスチックハンドブック、第3/1巻、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエステル、セルロースエステル、カール・ハンサー出版社、ミュンヘン、ウイーン、1992年、第117頁〜第299頁、およびD.C.プレボサーク、B.T.デボナおよびY.ケステン著(アライドケミカル社、研究開発センター、モリスタウン、ニュージャージー07960所属)「ポリ(エステルカーボネート)コポリマーの合成」、ジャーナルオブポリマーサイエンス、高分子化学版、第19巻、第75頁〜第90頁(1980年)。]
[0033] 溶融エステル交換法は、特に、例えば、H.シュネル著、「ポリカーボネートの化学と物理」ポリマーレビュー、第9巻、第44頁〜第51頁、インターサイエンス・パブリシャーズ、ニューヨーク,ロンドン,シドニー,1964年、および独国特許出願公開第1031512号明細書に記載されている。]
[0034] ポリカーボネートの調製において、不純物の割合が低い原料および補助物質が好ましく使用される。溶融エステル交換法による調製の場合、特に、可能な限りアルカリイオンおよびアルカリ土類イオンを含有しないビスフェノールおよび炭酸誘導体が使用される。このような純粋な原料は、例えば炭酸誘導体(例えば炭酸エステル)、およびビスフェノールを再結晶するか、洗浄するかまたは蒸留することによって得られる。]
[0035] 本発明において適当なポリカーボネートは、10000g/mol〜200000g/molの重量平均分子量(Mw)(例えば超遠心法または散乱光測定によって測定できる)を有する。該ポリカーボネートは、特に好ましくは12000g/mol〜80000g/mol、就中好ましくは20000g/mol〜35000g/molの重量平均分子量を有する。]
[0036] 本発明によるポリカーボネートの平均モル質量は、例えば適切量の連鎖停止剤を用いることにより、既知の方法で調整できる。連鎖停止剤を単独で使用してもよく、種々の連鎖停止剤の混合物を使用してもよい。]
[0037] 適当な連鎖停止剤は、モノフェノールおよびモノカルボン酸である。適当なモノフェノールは、例えばフェノール、p−クロロフェノール、p−tert−ブチルフェノール、クミルフェノールまたは2,4,6−トリブロモフェノール、並びに長鎖アルキルフェノール、例えば4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール、またはアルキル置換基中に合計8〜20個の炭素原子を有するモノアルキルフェノールもしくはジアルキルフェノール、例えば3,5−ジ−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチル−ヘプチル)−フェノールまたは4−(3,5−ジメチル−ヘプチル)−フェノールである。適当なモノカルボン酸は、安息香酸、アルキル安息香酸およびハロ安息香酸である。]
[0038] 好ましい連鎖停止剤は、フェノール、p−tert−ブチルフェノール、4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールおよびクミルフェノールである。]
[0039] 連鎖停止剤の使用量は、個々の場合に使用されるビスフェノールの合計量に基づいて、好ましくは0.25〜10mol%である。]
[0040] 本発明において適当なポリカーボネートは、既知の方法、好ましくは三官能価以上の分枝剤を組込むことにより分枝化できる。適当な分枝剤は、例えば三以上のフェノール基を有する分枝剤または三以上のカルボン酸基を有する分枝剤である。]
[0041] 適当な分枝剤としては、例えば以下のものが含まれる:フロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプト−2−エン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス−[4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノール、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5’−メチル−ベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−プロパン、ヘキサ−(4−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェニル)−テトラフタル酸エステル、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、テトラ−(4−(4−ヒドロキシフェニル−イソプロピル)−フェノキシ)−メタンおよび1,4−ビス−(4’,4’’−ジヒドロキシトリフェニル)−メチルベンゼン、並びに2,4−ジヒドロキシ安息香酸、トリメシン酸、塩化シアヌル、3,3−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドール、トリメシン酸三塩化物およびα,α’,α’’−トリス−(4−ヒドロキシフェノール)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン。]
[0042] 好ましい分枝剤は、1,1,1−トリス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび3,3−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−オキソ−2,3−ジヒドロインドールである。]
[0043] 必要に応じて使用される分枝剤の使用量は、使用するビスフェノールのモル量に基づき、好ましくは0.05mol%〜2mol%である。]
[0044] 相界面法によってポリカーボネートを調製する場合、分枝剤を、例えばビスフェノールと連鎖停止剤と共に水性アルカリ相中へ導入してもよく、またはこれらを炭酸誘導体と共に、有機溶媒中へ溶液状で添加してもよい。エステル交換法の場合、好ましくは、分枝剤をジヒドロキシ芳香族化合物またはビスフェノールと共に計量供給する。]
[0045] 溶融エステル交換法によってポリカーボネートを調製する場合、好ましく使用される触媒は、以下の文献において既知であるアンモニウム塩およびホスホニウム塩である(例えば米国特許第3442864号明細書、特開昭47−14742号公報、米国特許第5399659号明細書、および独国特許公開第19539290号明細書を参照)。]
[0046] コポリカーボネートを使用してもよい。本発明の範囲内に含まれるコポリカーボネートは、特に、重量平均分子量(Mw)が好ましくは10000〜200000g/mol、特に好ましくは20000〜80000g/molである(散乱光測定または超遠心分離法により事前較正した後に、ゲルクロマトグラフィーによって測定した)、ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーである。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマー中の芳香族カーボネート構造単位含量は、好ましくは75重量%〜97.5重量%、特に好ましくは85重量%〜97重量%である。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマー中のポリジオルガノシロキサン構造単位含量は、好ましくは25重量%〜2.5重量%、特に好ましくは15重量%〜3重量%である。ポリジオルガノシロキサン−ポリカーボネートブロックコポリマーは、例えば、α,ω−ビスヒドロキシアリールオキシ末端基を含有するポリジオルガノシロキサンを開始物質として調製され、平均重合度は好ましくはPn=5〜100、特に好ましくはPn=20〜80を示す。]
[0047] 常套の添加剤、例えば離型剤を、溶融状態のポリカーボネートと混合させてもよく、あるいはその表面に塗布してもよい。好ましくは、使用するポリカーボネートには、本発明による成形組成物の別の成分と配合させる前に、予め離型剤を含有させる。]
[0048] 成分B
本発明において、組成物は成分B)としてポリアルキレンテレフタレートを含有し、該組成物は2種以上の異なるポリアルキレンテレフタレートの混合物を含有してもよい。本発明の範囲内に含まれるポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸(またはこれらの反応性誘導体)と、例えばプロピレングリコールまたはブタンジオールに基づくアルカンジオールから誘導されるポリアルキレンテレフタレートである。本発明において、好ましくはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよび/またはポリトリメチレンテレフタレート、最も好ましくはポリブチレンテレフタレートが成分Bとして使用される。]
[0049] 本発明の範囲内に含まれるポリアルキレンテレフタレートは、芳香族ジカルボン酸若しくはこれらの反応性誘導体(例えばジメチルエステルまたは無水物)と、脂肪族ジオール、脂環式ジオール若しくは芳香脂肪族ジオールとの反応生成物、またはこれらの反応生成物の混合物である。]
[0050] 好ましくは、テレフタル酸(またはこれらの反応性誘導体)と、2〜10個の炭素原子を含有する脂肪族ジオールまたは脂環式ジオールから、既知の方法によって、ポリアルキレンテレフタレートが調製される(プラスチックハンドブック、第8巻、第695頁以降、カール-ハンサー-バーラグ、ミュンヘン、1973年参照)。]
[0051] 好ましいポリアルキレンテレフタレートは、ジカルボン酸に基づいて、少なくとも80mol%、好ましくは90mol%のテレフタル酸基と、ジオール成分に基づいて、少なくとも80mol%、好ましくは少なくとも90mol%のエチレングリコールおよび/または1,3−プロパンジオールおよび/または1,4−ブタンジオール基を含有する。]
[0052] 好ましくは、ポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基に加えて、8個〜14個の炭素原子を有する別の芳香族ジカルボン酸基、または4個〜12個の炭素原子を有する脂肪族ジカルボン酸基、例えばフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサン二酢酸、シクロヘキサンジカルボン酸基などを20mol%まで含有できる。]
[0053] 好ましくは、ポリアルキレンテレフタレートは、エチレン、1,3−プロパンジオールまたは1,4−ブタンジオールグリコール基に加えて、3個〜12個の炭素原子を有する別の脂肪族ジオールまたは6個〜21個の炭素原子を有する脂環式ジオール、例えば1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−および−1,6−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,4−ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン、2,2−ビス−(3−β−ヒドロキシエトキシ−フェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシ−プロポキシフェニル)−プロパン基を、20mol%まで含有できる(独国特許第2407674号明細書、同2407776号明細書、同2715932号明細書)。]
[0054] ポリアルキレンテレフタレートは、比較的少量の三価もしくは四価アルコールまたは三−もしくは四塩基カルボン酸(例えば独国特許出願公開第1900270号明細書および米国特許第3692744号明細書を参照)を組込むことで分枝化できる。好ましい分枝剤の例は、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリトリトールである。]
[0055] 酸成分に対して、分枝剤を1mol%以下で使用することが望ましい。]
[0056] テレフタル酸若しくはこれらの反応性誘導体(例えばこれらのジアルキルエステル、例えばジメチルテレフタレート)と、エチレングリコールおよび/または1,3−プロパンジオールおよび/または1,4−ブタンジオールから調製されるポリアルキレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレート)、およびこれらのポリアルキレンテレフタレートの混合物が特に好ましい。]
[0057] また、好ましいポリアルキレンテレフタレートは、少なくとも2種類の上記酸成分および/または少なくとも2種類の上記アルコール成分から調製されるコポリエステルであり、特に好ましいコポリエステルは、ポリ(エチレングリコール/1,4-ブタンジオール)テレフタレートである。]
[0058] ポリアルキレンテレフタレートは、一般的に約0.4〜1.5dl/g、好ましくは0.5〜1.3dl/gの固有粘度を有する。該固有粘度は、適当な溶媒を用いて、種々の濃度で測定した溶液粘度から算出される(ASTMD-4603参照)。適当な溶媒は、例えばジクロロ酢酸、フェノールとオルト−ジクロロベンゼンの混合物(1:1重量部比)、またはフェノールとテトラクロロエタンの混合物(1:1重量部比)である。固有粘度は、濃度0で外挿した粘度である。あるいは、粘度値はISO1628-1に従って測定できる。]
[0059] 好ましくは、本発明により調製されるポリエステルは、別のポリエステルおよび/または別のポリマーと混合して使用してもよい。ポリアルキレンテレフタレートと別のポリエステルの混合物を使用することが特に好ましい。]
[0060] 常套の添加剤、例えば離型剤、安定剤および/または流動剤を、溶融状態の該ポリエステルと混合して使用してもよく、あるいは該溶融物の表面に塗布してもよい。]
[0061] 成分C
本発明による組成物は、成分C)として、好ましくは以下のC.1)およびC.2)からなるコンセントレートC)を含有する:
C.1)ポリアルキレンテレフタレートまたは少なくとも2種類の異なるポリアルキレンテレフタレートの混合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、98重量%〜70重量%、好ましくは93重量%〜80重量%、および
C.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、2重量%〜30重量%、好ましくは7重量%〜20重量%。]
[0062] 成分C.1)として、成分B)におけるポリアルキレンテレフタレートが好ましく使用される。特に好ましくは、成分C.1)はポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、特に好ましくはポリブチレンテレフタレートである。]
[0063] 好ましい実施態様において、成分B)で使用するものと同一のポリアルキレンテレフタレートを成分C.1)として使用し、または成分B)として複数のポリアルキレンテレフタレートの混合物を使用する場合、成分C.1)は、成分Bにおける混合物中に存在する少なくとも1種のポリアルキレンテレフタレートを含有する。]
[0064] 以下のC.2.1)〜C.2.6)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が、成分C.2)として好ましく使用される:]
[0065] C.2.1)以下の式(IV)で表される化合物(2-カルボキシエチル-1-ホスホン酸、CAS♯5962-42-5);]
[0066] ]
[0067] C.2.2)以下の式(V)で表される化合物(3,9-ビス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェノキシ]-2,4,8,10-テトラオキサ−3,9-ジホスファスピロ[5,5]ウンデカン、CAS♯26741-53-7);]
[0068] ]
[0069] C.2.3)以下の式(VI)で表される化合物(2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-フェノール-1,1',1''-ホスファイト、CAS♯31570-04-4)]
[0070] ]
[0071] C.2.4)以下の式(VII)で表されるオルト−リン酸(CAS♯7664-38-2)]
[0072] ]
[0073] C.2.5)以下の式(VIII)で表される化合物(P,P'-[[1,1'-ビフェニル]-4,4'-ジル]ビス-,P,P,P',P'-テトラキス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-リン酸エステル、CAS♯38613-77-3)および]
[0074] ]
[0075] C.2.6)亜リン酸H3PO3(CAS♯10294-56-1)。]
[0076] コンセントレートC)は、以下の工程(i-1)および工程(i-2)を経て調製される:
(i-1)以下の成分C.1)および成分C.2)を既知の方法、好ましくは内部ニーダー、押出機および二軸スクリューなどの装置を用いて、好ましくは180℃〜320℃、特に好ましくは200℃〜270℃の温度で混合し(この工程段階は「溶融配合」とも称される)、
C.1)好ましくは180℃〜300℃、特に好ましくは200℃〜270℃の融点を示すポリアルキレンテレフタレート、好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレート、特に好ましくはポリブチレンテレフタレート:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、98重量%〜70重量%、好ましくは93重量%〜80重量%、および
C.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択され、固体状若しくは液体状で使用される少なくとも1種の化合物:C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、2重量%〜30重量%、好ましくは7重量%〜20重量%;次いで、
(i-2)得られた混合物を溶融押出し、得られる混合物を好ましくは-20℃〜100℃、特に好ましくは10℃〜40℃の温度まで冷却して、固体状のコンセントレートCを得る。]
[0077] 成分D
成分Dは、以下のD.1およびD.2からなる少なくとも1種のグラフトポリマーを含有する:
D.1 D.2上の少なくとも1種のビニルモノマー;5重量%〜95重量%、好ましくは30重量%〜90重量%、
D.2ジエンゴム、EP(D)Mゴム(すなわちエチレン/プロピレンおよび必要に応じてジエンに基づくゴム)、アクリレート、ポリウレタン、シリコーン、アクリル酸シリコーン、クロロプレン、およびエチレン/ビニルアセテートゴムからなる群から選択される少なくとも1種のグラフト基材;95重量%〜5重量%、好ましくは70重量%〜10重量%]
[0078] 一般に、グラフト基材D.2は、0.05μm〜10μm、好ましくは0.1μm〜5μm、特に好ましくは0.2μm〜1μmの平均粒度(d50値)を有する。]
[0079] グラフト基材D.2のゲル含量は少なくとも20重量%であり、乳化重合によって調製されたグラフト基材D.2の場合、好ましくは少なくとも40重量%である(トルエン中で測定した)。]
[0080] 好ましくは、モノマーD.1は、以下のD.1.1およびD.1.2の混合物である:
D.1.1 50重量部〜99重量部の、ビニル芳香族化合物および/または環置換ビニル芳香族化合物(例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-クロロスチレンなど)および/または(メタ)アクリル酸(C1-C8)-アルキルエステル(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなど)および、
D.1.2 1重量部〜50重量部のシアン化ビニル(不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)および/または(メタ)アクリル酸(C1-C8)-アルキルエステル(例えばメチルメタクリレート、n-ブチルアクリレート、tert-ブチルアクリレートおよび/または不飽和カルボン酸の誘導体(無水物およびイミド)、例えば無水マレイン酸およびN-フェニルマレイミド。]
[0081] 好ましいモノマーD.1.1は、スチレン、α-メチルスチレンおよびメチルメタクリレートモノマーの少なくとも1種から選択され、好ましいモノマーD1.2は、アクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートモノマーの少なくとも1種から選択される。特に好ましくは、モノマーD1.1はスチレンであり、D.1.2はアクリロニトリルである。]
[0082] 好ましいグラフト基材D.2は、アクリレートゴム、シリコーンアクリレートゴム、ジエンゴム(例えばブタジエンおよびイソプレンを基剤とする)またはジエンゴムの混合物である。また、本発明の範囲内において、ジエンゴムは、ジエンゴムの共重合体、または別の共重合性モノマー(例えば、D.1.1およびD1.2に記載もの)とこれらの混合物であってもよい。一般的に、グラフト基材D.2は、10℃未満、好ましくは0℃未満、特に好ましくは−10℃未満のガラス転移温度を有する。]
[0083] 特に好ましいポリマーDは、例えばABSポリマー(エマルション、塊状および懸濁ABS)であり、例えば以下の文献に記載されている:独国特許(DE-OS)第2035390号明細書(=米国特許(US-PS)3644574号明細書)または独国特許(DE-OS)2248242号明細書(=英国特許(GB-PS)1409275号明細書)またはウルマンズ工業化学事典、第19巻(1980年)第280頁以降。]
[0084] 好ましくは、成分D.1およびD.2からなるグラフトポリマーは、コア/シェル構造を有し、成分D.1はシェル(鞘とも称される)を形成し、成分D.2はコアを形成する(例えば、ウルマンズ工業化学百科辞典、VCH-バーグ、第A21巻、1992年、第635頁および第656頁参照)。]
[0085] グラフトコポリマーDは、ラジカル重合、例えば、乳化重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合、好ましくは乳化重合または塊重合によって調製される。]
[0086] また、特に適当なグラフト基材は、有機ヒドロペルオキシド系開始剤と米国特許(US-P)第4937285号明細書に記載のアスコルビン酸を用いるレドックス開始によって、乳化重合法で調製されたABSポリマーである。]
[0087] 既知のように、グラフトモノマーは、グラフト反応において、グラフト基材が必ずしも完全にグラフト化される訳ではないので、本発明によるグラフトポリマーDは、グラフト基材の存在下でグラフトモノマーを(共)重合して得られる生成物、および後処理の間に付随して得られる生成物も意味するものと理解される。]
[0088] ポリマーDに関するD.2に適するアクリレートゴムは、好ましくは、アクリル酸アルキルエステルのポリマー(必要に応じて、D.2に基づき40重量%以下の別の重合性エチレン性不飽和モノマーを含有する)である。好ましい重合性アクリル酸エステルとしては以下のものが含まれる:C1〜C8−アルキルエステル、例えばメチル、エチル、ブチル、n−オクチルおよび2−エチルヘキシルエステル;ハロアルキルエステル、好ましくはハロ−C1〜C8−アルキルエステル、例えばクロロエチルアクリレート、およびこれらのモノマーの混合物。]
[0089] 架橋させるために、2個以上の重合性二重結合を有するモノマーを共重合させてもよい。架橋モノマーの好ましい例は、3個〜8個の炭素原子を有する不飽和モノカルボン酸および3個〜12個の炭素原子を有する不飽和一価アルコールのエステル、または2個〜4個のOH基と2個〜20個の炭素原子を有する飽和ポリオール、例えばエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート;ポリ不飽和複素環化合物、例えばトリビニルおよびトリアリルシアヌレート;多官能性ビニル化合物、例えばジ−およびトリビニルベンゼン;ならびにトリアリルホスフェートおよびジアリルフタレートである。好ましい架橋モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルフタレート、および少なくとも三つのエチレン性不飽和基を含有する複素環化合物である。特に好ましい架橋モノマーは、環状モノマートリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジンおよびトリアリルベンゼンである。架橋モノマーの量は、グラフト基材D.2に基づいて、好ましくは0.02重量%〜5重量.%、特に0.05重量%〜2重量.%である。少なくとも三つのエチレン性不飽和基を有する環状架橋モノマーの場合、該モノマー量をグラフト基材D.2の1重量%未満に制限することが有効である。]
[0090] グラフト基材D.2の調製において、アクリル酸エステルに加えて、必要に応じて使用できる好ましい「別の」重合性エチレン性不飽和モノマーは、例えば、アクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニルC1〜C6−アルキルエーテル、メチルメタクリレートおよびブタジエンである。グラフト基材D.2として好ましいアクリレートゴムは、ゲル含量が少なくとも60重量%のエマルジョンポリマーである。]
[0091] D.2において適当なシリコーンゴムは、例えば米国特許第3294725号明細書および同3294725号明細書に記載されるような乳化重合によって調製できる。D.2において別の適当なグラフト基材は、以下の文献に記載されているような、グラフト活性部位有するシリコーンゴムである:独国特許(DE-OS)第3704657号明細書、同3704655明細書、同3631540号明細書および同3631539号明細書。]
[0092] シリコーンアクリレートゴムも、本発明におけるグラフト基材D.2として適当である。これらのシリコーンアクリレートゴムは、10重量%〜90重量%のシリコーンゴムと、90重量%〜10重量%のポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとを含有するグラフト活性部位を有する混合ゴムであり、上記2種類のゴム成分は混合ゴム中で互いに混合しているので、実質的に相互に分離することはできない。混合ゴム中のシリコーンゴム成分の含量が極めて高い場合、欠点のある表面特性と低い可染性を示す樹脂組成物が得られる。一方で、混合ゴム中のポリアルキル(メタ)アクリレートゴム成分の含量が極めて高い場合、最終樹脂組成物の衝撃強度に悪影響がおよぼされる。シリコーンアクリレートゴムは既知であり、例えば米国特許第5807914号明細書、欧州特許第430134号明細書および米国特許4888388号明細書に記載されている。メチルメタクリレート(D.1)とシリコーンアクリレート混合ゴムとを乳化重合させることにより調製されるグラフトポリマーが、好ましく使用される。]
[0093] グラフト基材D.2のゲル含量は、適当な溶媒中において25℃で測定される(M.ホフマン、H.クローマー,R.カーン著「ポリマーアナリティックIおよびII」、ゲオルク・ティーメ出版、シュトゥットゥガルト1977年)。]
[0094] 平均粒度d50は、該値の上下に50重量%の粒子が存在する値での粒径である。この値は、超遠心測定によって測定できる(W.スコルタン、H.ランゲ著「Kolloid,Z.und Z.Polymere 250」(1972年)、第782頁−第796頁)。]
[0095] 成分E
本発明における組成物は、成分E)として市販の添加剤、例えば、ビニル(コ)ポリマー、防炎加工剤、防炎相乗剤、防滴剤(例えばフッ素化ポリオレフィン系化合物、シリコーン系化合物およびアラミド繊維)、滑剤および離型剤(例えば、ペンタエリトリトールテトラステアレート)、成核剤、安定剤、帯電防止剤(例えば導電性ブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、有機帯電防止剤、例えばポリアルキレンエーテル、アルキルスルホネートまたはポリアミド含有ポリマー)、酸、充填剤および強化物質(例えば、グラスファイバーまたはカーボンファイバー、マイカ、カオリン、タルク、CaCO3およびガラスフレーク)並びに染料および顔料等を更に含有してもよい。フッ素化ポリオレフィンは、ビニル(コ)ポリマーのエマルション、特に好ましくはスチレン/アクリロニトリルに基づくコポリマーのエマルションとフッ素化ポリオレフィンエマルションとの凝固混合物状態で好ましく使用される。]
[0096] 以下のものからなる群から選択される少なくとも1種のモノマーのポリマーが、ビニル(コ)ポリマーとして適当である:ビニル芳香族化合物、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、(メタ)アクリル酸(C1〜C8)−アルキルエステル、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の誘導体(例えば無水物およびイミド)。ビニル(コ)ポリマーは、樹脂状であり熱可塑性を示し、ゴムを含有しない。ビニル(コ)ポリマーは既知であり、ラジカル重合、特に乳化重合、懸濁重合、溶液重合または塊重合によって調製することができる。好ましくは、該(コ)ポリマーは15000〜200000の平均分子量Mw(光散乱または沈殿によって決定される重量平均)を有する。以下のE.1.1およびE.1.2からなるポリマーが、ビニル(コ)ポリマーとして特に適当である:
E.1.1 ビニル芳香族化合物および/または環上置換ビニル芳香族化合物、例えばスチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p−クロロスチレンおよび/または(メタ)アクリル酸(C1〜C8)−アルキルエステル、例えばメチルメタクリレートおよびエチルメタクリレート:50〜99重量部、好ましくは60〜80重量部と、
E.1.2 ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、および/または(メタ)アクリル酸(C1〜C8)−アルキルエステル、例えばメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートおよびtert−ブチルアクリレート、および/または不飽和カルボン酸、例えばマレイン酸、および/または不飽和カルボン酸の誘導体(例えば無水物およびイミド)、例えば無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド:1〜50重量部、好ましくは20〜40重量部。]
[0097] 成形組成物および成形体の調製
本発明は、向上した溶融安定度を有するポリカーボネート/ポリアルキレンテレフタレート組成物の調製方法を提供する。該調製方法は本明細書の冒頭に記載されている。約20℃(室温)またはより高温(第1工程の場合は、好ましくは180℃〜320℃、特に好ましくは200℃〜270℃の温度、第2工程の場合は、200℃〜320℃、好ましくは240℃〜300℃の温度)で、逐次的または同時に、既知の方法を用いて、第1および第2工程において各成分を混合できる。]
[0098] また、本発明は成形組成物の調製方法と、成形体の製造における該成形組成物の使用と、該成形組成物の成形品を提供する。]
[0099] 本発明による成形組成物は、任意の種類の成形体の製造において使用できる。これらは、射出成形法、押出成形法およびブロー成形法によって製造できる。更なる加工形態は、事前に製造したシートまたはフィルムから深絞りすることによって、成形体を製造することである。]
[0100] このような成形体の例としては以下のものが含まれる:フィルム、異形材、あらゆる種類の外装部品、例えば家庭電化製品(例えば、テレビ、果汁圧搾機、コーヒーマシーンおよびミキサーなど)、事務機器(例えば、モニター、フラットスクリーン、ノートパソコン、プリンターおよびコピー機など)、建築領域(内部建具および外装)用のシート、パイプ、電気設備用ダクト、窓、ドア、および電気部品および電子部品(例えば、スイッチ、プラグおよびソケット)、並びに市販の車両(特に自動車)用の車体および内装材。]
[0101] また、本発明による成型組成物は、例えば、以下の成形体または成形品の製造において特に使用される:鉄道車両、船舶、航空機、バスおよび別の動力車用の内装部材、小型変圧器を含む電気装置の外装、情報の処理および伝達用装置の外装、医療機器、マッサージ機器およびこれらの外装用の外装および被覆材、子供用乗物玩具、組立壁板、安全装置用およびテレビ用の外装、断熱性輸送コンテナ、衛生用および浴室用装備品、換気口用の格子および園芸用具用の外装。]
[0102] 以下の実施例は、本発明を更に説明する。]
[0103] 成分A1:
粘性(ηrel)が1.293(測定条件:25℃、塩化メチレン1リットル当り5gのポリカーボネートを使用)であり、分子量(Mw)が29208±1036g/モル(ポリカーボネート標準物質を用いるGPC法によって測定した)である、ビスフェノールAに基づく直鎖状ポリカーボネート。]
[0104] 成分A2:
粘性(ηrel)が1.280(測定条件:25℃、塩化メチレン1リットル当り5gのポリカーボネートを使用)であり分子量(Mw)が27914±1036g/モル(ポリカーボネート標準物質を用いるGPC法によって測定した)である、ビスフェノールAに基づく直鎖状ポリカーボネート。]
[0105] 成分A3:
粘性(ηrel)が1.255(測定条件:25℃、塩化メチレン1リットル当り5gのポリカーボネートを使用)であり、分子量(Mw)が24289±1036g/モル(ポリカーボネート標準物質を用いるGPC法によって測定した)である、ビスフェノールAに基づく直鎖状ポリカーボネート。]
[0106] 成分B1:
ポリエチレンテレフタレート:固有粘度=0.68dl/g(インビスタ(登録商標)RT6012、インビスタレジン&ファイバー社製、独国)。]
[0107] 成分B2:
ポリエチレンテレフタレート:固有粘度=0.59dl/g(ボリディアン(登録商標)21350、イーストマンケミカル社製、米国)。]
[0108] 成分B3:
ポリブチレンテレフタレート(ポカン(登録商標)B1300、ランクセス社製、独国)、105cm3/gの粘度数を示す。]
[0109] 成分C:
特定のコンセントレートC-I〜C-Vを以下の様にして調製した(以下の表1参照):
(i-1)以下の成分C.1)およびC.2)を、10〜12kg/hの処理量で、225rpmの2軸スクリュー(ZSK-25、コペリオン社製、米国)を用いて225℃〜240℃の温度で混合し、
C.1)225℃の融点を有するポリアルキレンテレフタレートB2またはB3(表1参照):85重量%[C.1)+C.2)の重量%の総量に基づく]および、
C.2)固体状または液体状で使用され、以下のC2.1〜C.2.6から選択される化合物:15重量%[C.1)+C.2)の重量%の総量に基づく]
(i-2)次いで、得られる混合物を溶融押出し、これによって得られる混合物を水浴で室温まで冷却し、その後粒状化する。]
[0110] 成分C.2.1:以下の式(IV)で表される化合物、アルブリテクト(登録商標)PM2(ロディア社製、仏国)]
[0111] ]
[0112] 成分C.2.2:以下の式(V)で表される化合物、ウルトラノックス(登録商標)626A(ケムチュラ社製、米国)]
[0113] ]
[0114] 成分C.2.3:以下の式(VI)で表される化合物、イルガフォス(登録商標)168(チバスペシャリティーケミカル社、スイス)]
[0115] ]
[0116] 成分C.2.4:オルト−リン酸、H3PO4(フルカ社製)]
[0117] 成分C.2.5:以下の式(VIII)で表される化合物、イルガフォス(登録商標)P-EPQ(チバスペシャリティーケミカル社、スイス)]
[0118] ]
[0119] 成分C.2.6:亜リン酸、H3PO3]
[0120] ]
[0121] 成分D1:
コア/シェル構造を有する耐衝撃改良剤、コア:ポリブチルアクリレート、シェル:ポリメチルメタクリレート(パラロイド(登録商標)EXL2300、ローム・アンド・ハース社製、米国)。]
[0122] 成分D2:
乳化重合によって調製されたコア/シェル構造を有するABS、コア:平均重量平均粒度d50=375nmを示すポリブタジエンゴム、シェル;スチレン:アクリロニトリルの重量比=73:27であるポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリ(スチレン-アクリロニトリル)に対するポリブタジエンの重量比が75:25である。]
[0123] 成分D3:
コア/シェル構造を有する耐衝撃改良剤、コア:ポリブタジエン、シェル:ポリメチルメタクリレート(パラロイド(登録商標)EXL2650、ローム・アンド・ハース社製、米国)。]
[0124] 成分E1:
タルク、ナインチュ(登録商標)A3C(リオ・ティント社製)。]
[0125] 成分E2:
ルワックス(登録商標)E(モンタン酸エステル、BASF社製、独国、CAS#248600-35-3)]
[0126] 成分E3:
ペンタエリトリトールテトラステアレート]
[0127] 溶融粘度はDIN54811またはISO11443に従って測定した。]
[0128] 対象組成物の溶融安定度を以下の方法により評価した:]
[0129] (1)通常のMVR値と「MVR+19分」値の差を決定する。
熱可塑性物質の流動性(MVR;溶融体積流量)をDIN EN ISO 1133に従って測定する。溶融安定度を評価するために、2種類の測定値の変化量を使用する。「通常の」MVR値の測定は装置での滞留時間を4分に設定しておこない、「MVR+19分」値の測定は装置での滞留時間を19分に設定しておこなう。通常のMVR値と「MVR+19分」値の差(以下「デルタMVR」と称する;計算式は以下の式(IX)参照)が小さいほど、試験組成物はより高い(良好な)溶融安定度を示す:]
[0130] ]
[0131] (2)DSC測定を行い、3回目の加熱操作での融点(Tm)と、最初の加熱操作での融点(Tm)の差を決定する。
融点を測定するための常套装置であるDSC(示差走査熱量計)を使用して、0.01g〜0.02gの試験組成物を、窒素雰囲気下(供給量200ml/分)、10℃/分の昇温速度で25℃から300℃まで加熱し、温度が300℃に到達した際、−10℃/分の降温速度で25℃まで冷却する。この操作を更に2回繰返すことで、組成物を合計で3回加熱し、2回冷却した。加熱操作の間に吸熱信号を記録し、吸熱信号の極大点に一致する温度(以下融点(Tm)と称する)を測定する。一般的に、この融点(Tm)の値は加熱操作毎に減少する。2回目の加熱操作での融点(Tm)若しくは3回目の加熱操作での融点(Tm)と最初の加熱操作での融点(Tm)の差(以下、それぞれ「デルタTm(2−1)」若しくは「デルタTm(3−1)」と称し、以下の式(Xa)および(Xb)で算出される)が小さいほど、試験組成物はより高い(良好な)溶融安定度を示す。]
[0132] ]
[0133] ]
[0134] 本発明による組成物(以下の表2〜表5参照)は、それぞれコンセントレート(成分C-I〜CVII)を含有する。一方、比較例配合物は、本発明によるコンセントレートを使用することなく、全成分を1回の工程で相互に混合する。]
[0135] 本発明による充填材含有PC/PET成形組成物(表2の組成物3または4を参照)は、コンセントレートC.2.1若しくはC.2.2を使用することなくB3を使用して調製した対応組成物(比較例1および2)と比べて、より高い溶融安定度を示す(すなわち、デルタMVR値がより低くおよび/または融点(Tm)の差がより小さい)。]
[0136] ]
[0137] 本発明による耐衝撃性改良PC/PBT成形組成物(表3の組成物5〜8参照)は、本発明によるコンセントレートを用いずに調製した対応組成物(比較例10)またはリン含有安定剤を全く含まない対応組成物(比較例9)と比べて、より高い溶融安定度を示す(すなわち、デルタMVR値がより低く、融点(Tm)の差がより小さい)。]
[0138] ]
[0139] 本発明による耐衝撃性改良PC/PBT成形組成物(表4の組成物12参照)は、本発明によるコンセントレートを用いずに調製した対応組成物(比較例11)と比べて、より高い溶融安定度を示す(すなわち、デルタMVR値がより低く、融点(Tm)の差がより小さい)。]
[0140] 本発明による耐衝撃性改良PC/PET成形組成物(表5の組成物13参照)は、本発明によるコンセントレートを用いずに調製した対応組成物(比較例14)と比べて、より高い溶融安定度を示す(すなわち、デルタMVR値がより低く、融点(Tm)の差がより小さい)。]
[0141] ]
実施例

[0142] ]
权利要求:

請求項1
以下の成分C.1)およびC.2)からなるコンセントレートC):C.1)ポリアルキレンテレフタレートまたは少なくとも2種類のポリアルキレンテレフタレートの混合物;C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて98重量%〜70重量%、およびC.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の化合物;C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて2重量%〜30重量%。
請求項2
C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて93重量%〜80重量%の成分C.1と、C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて7重量%〜20重量%の成分C.2からなる、請求項1に記載のコンセントレートC)。
請求項3
以下の成分C.2.1)〜C.2.6)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物を、成分C.2)として含有する請求項1または2に記載のコンセントレートC):C.2.1)以下の式(IV)で表される化合物C.2.2)以下の式(V)で表される化合物C.2.3)以下の式(VI)で表される化合物C.2.4)オルト-リン酸H3PO4(VII)C.2.5)以下の式(VIII)で表される化合物、およびC.2.6)亜リン酸H3PO3(IX)。
請求項4
以下の成分A)、B)およびC)を含有する組成物:A)芳香族ポリカーボネート、B)ポリアルキレンテレフタレート、およびC)請求項1〜3のいずれかに記載のコンセントレートC)。
請求項5
以下の成分A)〜C)と任意成分D)およびE)を含有する請求項4に記載の組成物:A)芳香族ポリカーボネート;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて29.8重量部〜82.8重量部、B)ポリアルキレンテレフタレート;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて15重量部〜70重量部、C)請求項1または2に記載のコンセントレートC;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて0.2重量部〜5重量部、D)ゴム変性グラフトポリマー;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて0〜40重量部、E)添加剤;成分A+B+Cの重量部合計(=100)に基づいて0〜20重量部。
請求項6
以下の成分A)〜E)を含有する請求項5に記載の組成物:A)芳香族ポリカーボネート;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて39.5重量部〜89.5重量部、B)ポリアルキレンテレフタレート;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて25重量部〜55重量部、C)請求項2に記載のコンセントレートC;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて0.7重量部〜2重量部、D)ゴム変性グラフトポリマー;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて8〜18重量部、E)添加剤;成分A+B+Cの重量部合計(=100)に基づいて1〜15重量部。
請求項7
ポリブチレンテレフタレートを成分Bとして含有する請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
請求項8
改良された溶融安定度を有するポリカーボネート/ポリアルキレンテレフタレート組成物の調製方法であって、以下の工程(i)および工程(ii)を含むことを特徴とする該方法:(i)以下の過程(i-1)および(i-2)を含むコンセントレートC)を調製する第1工程;(i-1)以下の成分C.1)およびC.2)を既知の方法で混合し、C.1)ポリアルキレンテレフタレート;C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて、98重量%〜70重量%、およびC.2)オルト-リン酸、亜リン酸、オルト-リン酸のカルボン酸エステルおよび亜リン酸のカルボン酸エステルからなる群から選択され、固体状若しくは液体状で使用される少なくとも1種の化合物;C.1)+C.2)の重量%の合計に基づいて2重量%〜30重量%、(i-2)その後、得られた混合物の溶融押出をおこなう(ii)以下の過程(ii-1)〜(ii-3)を含む第2工程(ii-1)以下の成分A)〜C)と任意成分D)およびE)を含有する群から選択される成分を既知の方法で混合し:A)芳香族ポリカーボネート;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、29.8重量部〜82.8重量部、B)ポリアルキレンテレフタレート;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、15重量部〜70重量部、C)工程(i)で調製したコンセントレートC);成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、0.2重量部〜5重量部、D)ゴム変性グラフトポリマー;成分A+B+Cの重量部合計に基づいて、0重量部〜40重量部、およびE)添加剤;成分A+B+Cの重量部合計(100重量部)に基づいて、0重量部〜50重量部、(ii-2)該混合物を常套の装置、例えば内部ニーダー、押出機および二軸スクリューなどを使用して、200℃〜320℃、好ましくは240℃〜300℃の温度で溶融配合し、次いで(ii-3)溶融押出をおこなう。
請求項9
工程(i-2)において、生成した混合物を−20℃〜100℃の温度まで冷却することにより該混合物を固体状で得る請求項8に記載の方法。
請求項10
ポリブチレンテレフタレートを成分Bとして使用する請求項8または9に記載の方法。
請求項11
請求項8〜10のいずれかに記載の方法によって得られる成形品および/または半製品。
請求項12
芳香族ポリカーボネートとポリアルキレンテレフタレートを含有する組成物の溶融安定度を改良するための、請求項1〜3のいずれかに記載のコンセントレートC)の使用。
請求項13
成形品および半製品を製造するための、請求項4〜7のいずれかに記載の組成物の使用。
請求項14
請求項4〜7のいずれかに記載の組成物を含有する成形体または請求項11に記載の成形品および/または半製品。
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引用文献:
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